子宮膣部びらん自体は悪性のものではありませんが、初期がんが潜んでいることもあります。帯下(おりもの)や不正出血があるときは、子宮がん検診を受けましょう。
子宮膣部びらん
頸管の腺上皮が、子宮膣部の表面にせり出している状態のことをいいます。
肉眼的に見て、鮮紅色をしてただれたようになっているため“びらん”といいます。
○頻度
◆思春期・・・25%◆成熟期・・・40%◆老年期・・・5%
○原因
卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が活発になり、頸管腺が膣腔側にめくれるような状態で露出します。
○症状
◆帯下(おりもの)
分泌物が多くなります。炎症を起こしやすいため滲出液(シンシュツエキ)も多くなります。おりものが多くなると外陰部の炎症を引きおこしかゆみが出ることもあります。
◆不正出血
組織がもろく、各刺激に弱く、性交時や排尿・排便の際に出血することがあります。
○治療法
炎症のため帯下が増加したり、不正出血が頻発すれば、細胞診で癌でないことを確認し、治療します。治療には、「冷凍療法」、「電気凝固」、「電気焼却」、「円錐切除」等の外科的な処置があります。
当院で一般的に行っている冷凍療法は全く痛みもなく、2ヶ月間定期的に経過を
観察していきます。
伊集院産婦人科