きょうは、将来子宮内膜症になるのをできるだけ予防
するために、「生理痛は、いま治療しましょう!」と
いう、未病の段階の治療についてお話ししましょう。
以前は、「生理痛は我慢」が常識でした。しかし、最
近では「生理痛と内膜症は非常に深い関係がある」と
言われています。生理痛のある方が内膜症になる確率
は、ない方の2.6倍と高い値です。(また逆に、生理
痛をさほど感じない女性の中にも、内膜症の方が相当
数いることも事実。それは病気が卵巣などに限られて
いる場合です。)
未病とは、「生理痛などのようにそれ自体は病気とは
言えないが、放置しておくと病気に進行していく、い
わば病気の前段階の状態」をいいます。
ご存じのように、内膜症は生理痛や生理が多い・腰痛・
性交痛・不妊、さらに卵巣内に血液がたまるチョコレー
ト嚢胞では癌になる率が少し高い等、注意しておく病気
ですね。生理痛のある方の内膜症の発生予防や、内膜症
へ進展させない、または進行を遅らせる方法は、まず薬
物療法だといわれます。早いうちから当院スタッフと一
緒に考え解決していくことが、将来を考えるうえで大変
意味のあることです。
生理痛の自己評価は、下の表を参考にしてみましょう。
治療は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)といわれる痛み止めと、低用量エストロゲン/プロゲスチン配合薬
(LEP製剤以前はピルともよばれました)や黄体ホルモ
ンなどのホルモン製剤が主に使用されます。その他に、
症状を和らげるのに漢方薬もあります。痛み止めやホル
モン製剤は、状態によっては使用できない場合もありま
すので、スタッフと良くお話合いください。
『生理痛は非常に大事なサインです‼』
伊集院産婦人科 釜付 眞一