子宮脱・子宮下垂でお悩みの方へ

2019/08/26

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子宮脱とは子宮や膣が下垂してきて、子宮の一部あるいは全体が膣壁・膀胱・直腸などの臓器とともに膣の入り口から脱出してくる病気で、妊娠を経験した主に高齢の女性に多くみられます。その他重労働者、便秘などで腹圧のかかる人、肥満などでも起こるといわれています。
 

子宮脱は分娩、出産などによる子宮を骨盤に支える子宮支持組織へのダメージや、閉経後のエストロゲン低下による子宮周囲靭帯や筋肉の弛緩が原因とされています。

子宮下垂などは、初期はあまり症状を感じませんが、症状が進むと子宮が下がった感じ、外陰部違和感、排便時などお腹に力を入れたとき、入浴中に膣の入り口にピンポン玉のようなものを触れるといった症状が出てきます。ひどくなると子宮が内反し完全に膣より脱出し、擦れて出血をしたり、膀胱、直腸が一緒に下がってくるため、頻尿、尿失禁、尿閉、便秘などの症状が出てくることもあります。

         正常

         膀胱瘤

 

         直腸瘤

 


        完全子宮脱

 

~治療法として~

 〇保存的療法:1.骨盤底筋体操:軽度の場合に行います。2.膣内ペッサリーを挿入し子宮が落ちてこないようにします。ただし数か月おきにペッサリー交換が必要で、ペッサリーが膣壁に擦れ発赤し、出血、帯下が増加してくることがあります。
 〇手術療法:基本的には手術療法が有効とされています。当院では膣式子宮全的術+前膣壁形成術+後膣壁形成術を基本としています。高齢で合併症の多い方は膣閉鎖術(Le Fort手術)を行うこともあります。

 


子宮脱でお悩みの方、手術をお考えの方は一度診察にお越しください。